私自身、H-2ロケット開発にも携わったこともあり宇宙事業への関心を持ち続けておりました。
アルプス技研が、はやぶさ2のローバー開発に関わったデジタル・スパイス社と共に宇宙事業に参入すると発表したタイミングで自ら志願し、宇宙事業推進室に異動することができました。
これまで携わったデジタル携帯電話機の開発、デジタル放送向けテレビチューナーIC開発、LPWAモジュール開発の経験を活かして2025年9月に新設した宇宙事業推進室でのプロジェクトにこれからも貢献したいと思います。
FEATURE
アルプス技研でできること
進化する
技術プロジェクト
ものづくりの最前線は、日々進化している。
自動運転、AI、ロボティクス、スマートファクトリー
──アルプス技研のエンジニアたちは、
あらゆる業界の“次の一手”を支えています。
ここでは、数あるプロジェクトの中から、特に最先端で挑戦的なテーマをピックアップ。
1ページで、日本のものづくりの“いま”と“未来”を体感してください。
プロジェクト概要
【月探査有人与圧ローバー用制御モジュール開発】
米国主導の国際協力体制のもとで進められているアルテミス計画。
日本でもアルテミス計画を念頭に、月探査ミッションの一翼を担うローバー開発が進行しています。
本プロジェクトでは、月探査有人与圧ローバーを制御するためのモジュール開発を行っており、回路設計、FPGAロジック設計、組み込みソフトウェア制御などの技術を組み合わせて、宇宙での過酷環境においても動作できる、信頼性の高い制御モジュールの開発を行っています。
なぜ最先端なのか
― 今、宇宙が“夢”から“現実の産業”に変わっている ―
今、宇宙業界は大きな転換期を迎えています。
国主導だけでなく民間企業の参入が急速に進み、政府も1兆円規模の予算を投じるなど、今後の成長が強く期待される分野です。
このプロジェクトが関わるアルテミス計画では、「人が月に行き、活動し、帰ってくる」ことが現実の目標として進められています。
その中で、人が居住・移動できる有人与圧ローバーは欠かせない存在であり、アポロ計画以来となる月面での有人ミッションの中でも非常に重要な役割を担っています。
月探査有人与圧ローバーは、世界で初めてのシステムであるだけでなく、日本初の単独で機能する「有人宇宙船」です。
人類の活動領域の拡大に大きく貢献することが期待されており、将来の火星探査に向けた事前実証ミッションにも位置づけられています。
ニュースで見るだけでは実感しにくいかもしれませんが、自分の関わった技術が、将来本当に月の上を走る。
そう考えると、この仕事がどれだけ最先端で、社会的に必要とされているかを強く感じるでしょう。
当社が挑む意味
― 今、宇宙が“夢”から“現実の産業”に変わっている ―
現在、宇宙分野では圧倒的に技術者が不足しています。
政府の試算では約16万人が必要とされている一方、実際に宇宙スキルを持つ技術者は約1万人しかいません。
しかし一般的なメーカー就職では、「これまでの経験=即戦力」が重視されるため、他業界から宇宙分野へ挑戦するハードルは非常に高いのが現実です。
アルプス技研は、グループ会社の一社である「株式会社デジタル・スパイス」が、10年以上に渡り培った宇宙機器開発技術と、アルプス技研が持つ高度技術人材がタッグを組むことで、これまで以上に大きなプロジェクトを受注することができるようになりました。
また、これまで自動車産業や半導体産業をはじめとした日本の先進産業で活躍してきた技術者が参画することで、宇宙産業分野における人材不足の解決にも大いに貢献できます。
他業界で培った経験を活かしながら宇宙分野で実績を積み、宇宙スキルを持った技術者へと成長できます。
それは結果として、日本全体が抱える宇宙人材不足の解消にもつながります。
それを実現できるのが、日本の先端産業の開発・設計を支え続けてきた当社の強みです。
アルプス技研は、技術のプロフェッショナルとして、受託請負事業および技術サービス事業の両面で宇宙産業の発展に寄与できる企業として、これからも挑戦してまいります。
エンジニアの声
電気電子エンジニア(入社13年目・宇宙事業推進室)
電気電子エンジニア(入社14年目・技術サービス事業)
「宇宙の仕事に関われている」というだけで、やはりワクワクします。
一方で、特別な人間だからできているわけではありません。
これまで車載業界で培ってきた現場での段取り力や品質意識が、今の仕事でも活きています。客先の上長から「現場での動きを見て、かなり経験を積んできたことが分かる」と褒めていただけたことは、今でも大きな励みになっています。
月面という過酷な環境で使われる車両だからこそ、どんな要求を満たすべきか、仲間と何度も議論し、一つの答えを導き出す。難しいからこそ、チームで挑む高揚感があります。
宇宙と聞くと身構えるかもしれませんが、本質は地上のモノづくりと変わりません。
「より良いものを社会に送り出す」その使命を、今は月に向けて実現しています!